キャリアチェンジを考え始めたら 教育訓練給付金の活用

30代は何かと揺れる年頃です。

たとえ今の仕事や家庭が順調でも「これって適職なの?」「このままでいいのかな?」なんて、ふと考えてしまうものですよね。

何が転機になるかはわかりませんが、転職やスキルアップに活用できる公的な制度は知っておいて損はありません。

会社員としてお勤め中(または退職して1年以内)の人が利用できる「教育給付金制度」についてまとめました。

 

教育訓練給付金制度とは

教育訓練給付金は、雇用保険に加入している人が利用できるキャリアアップのための給付金です。

退職して1年以内の人も利用できます。

学ぶ内容によって3タイプに分かれていますので、一つずつ見ていきましょう。

 

一般教育訓練

対象講座を受講した後、ハローワークで申請すると、受講費用の20%(上限年間10万円)が支給されます。

医療事務、介護事務、行政書士、気象予報士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど、様々な分野で、通学・通信どちらの講座も対象になります。

対象者 雇用保険に加入中(または)
退職して1年以内
雇用保険の
加入期間
受講開始時点で3年以上
初めて受講する人は1年以上
支給額 入学金・授業料の20%
(上限10万円

 

特定一般教育訓練

ITスキルなどのキャリアアップ講座を対象に、給付率が20%から40%に拡大された新しい制度です。(令和1年10月に新設)

税理士や社会保険労務士などの資格取得を目指すものや、基本情報技術者試験、介護職員初任者研修等、約150の講座があります。

対象講座を受講した後、ハローワークで申請すると、受講費用の40%(上限年間20万円)が支給されます。

対象者 雇用保険に加入中(または)
退職して1年以内
雇用保険の
加入期間
受講開始時点で3年以上
初めて受講する人は1年以上
支給額 入学金・授業料の40%
(上限20万円

 

専門実践教育訓練

受講にかかった教育訓練経費に加えて、修了後に雇用された場合にも給付金を受け取ることができます。

訓練受講中は6ヶ月ごとに申請を行い、支払った費用の50%(年間上限あり)が支給されます。

さらに、目標とする資格等を取得し、受講後1年以内に雇用された場合は追加給付を受けることができます。

訓練の対象となる講座は1年~4年と比較的長期にわたり、看護師、助産師、介護福祉士、美容師、利用し、調理師、保育士、歯科衛生士、栄養士、社会福祉士など、業務独占資格(その資格がないと業務ができないもの)等の取得を目指します。

対象者 雇用保険に加入中(または)
退職して1年以内
雇用保険の
加入期間
受講開始時点で3年以上
初めて受講する人は2年以上
支給額* ・受講中は費用の50%
(上限120万円)

・修了後1年以内に雇用された場合は70%
(上限168万円)

受講中の給付額との差額を支給

* 上限額は訓練期間3年間の場合。年数により異なります。

 

費用・受給資格についての注意点

  • 検定試験の受験料、補講費用、訓練施設での行事参加費用、受講のための交通費、PC購入費用などは給付対象費用になりません
  • 割引制度などが適用された場合は、割引後の額が給付対象費用となります。
  • 一度受講すると、次回受講するためには、また3年以上の雇用保険加入期間が必要になります。

 

教育訓練給付金制度の講座検索

一般・特定・専門実践それぞれの制度でどんな講座を受けられるかは、厚生労働省HPの「教育訓練講座検索システム」から検索することができます。

 

失業中に支給される教育訓練「支援給付金」

専門実践教育訓練の受給資格がある人で、かつ失業している場合、訓練中の生活を補うために「教育訓練支援給付金」が支給されます。

要件は以下のとおり。すべて満たす必要があります。

  • 失業中であること
  • 退職して1年以内
  • 訓練開始時点で45才未満
  • 昼間通学制の訓練を受講(通信・夜間でないこと)
  • 教育訓練給付金を受けたことがない

 

1日あたりの支援給付金の額

失業中に受けていた基本手当、いわゆる失業保険の80%が支給されます。

失業保険の給付額は「退職する6ヶ月前の賃金を180で割った金額の80~45%」で、勤務年数等によっても異なります。

退職前半年間の平均給与が20万円程度の場合は月額13~14万円ほど、平均給与が30万円程度の場合は月額16~17万円ほどが失業保険のおおまかな目安になります。

支援給付金は、さらにその8割程度の額で、失業保険をもらい終わった後に支給されます。

 

支援給付金を受けられる期間

失業保険の給付金を受け取ることができる期間は、教育訓練支援給付金は支給されません

自己都合退職の場合、ざっくり以下のようなスケジュールになります。

退職~3ヶ月 給付なし
(失業保険の申請)
4ヶ月目以降 失業保険の基本手当を受給
失業保険をもらい終わった後~訓練を修了するまで 教育訓練支援給付金
(失業保険の80%

 

また、支援給付金を受ける条件として、実際にしっかり訓練を受講していることが重要です。

こんな場合は支給されなくなってしまいます。

  • 欠席が多く、2ヶ月の出席率が8割未満になった場合
  • 成績不良や休学で、決められた訓練期間中に修了できそうにない
  • 受講を途中でやめてしまった

 

教育訓練給付金は、お勤めしている人が加入する「雇用保険」から支給されます。

学生や自営業等で雇用保険に加入していない場合は対象になりません。

支給されるかどうかや、支援給付金の場合の日額等は、これまでの給与や雇用保険の加入年数によって異なります。

資格や金額はハローワークで事前照会ができますが、電話では受付けてもらえません。

気になる講座があったら、時間を見つけてハローワークに行き詳細を確認しましょう。