年金はいくらもらえる?自分で計算「ねんきん定期便」の見方

今入っている保険や毎月の貯蓄額、このままでいいの?ふと考えてしまうことはありませんか。

反対に、何十年も先の年金のことは「まだいっか」とあまり気にしていないかもしれません。

だけど、今の貯蓄が将来に向けて適正かどうかは、それだけで考えてはダメなんです。

どんな方法でいくら貯めたら良いのかを判断するには「順番」にそって、ざっくり全体を把握することが重要ですよ。

まず最初に確認すべきこと、その方法についてまとめました。

 

貯蓄や年金を考える「順番」1・2・3

職業や貯蓄の多い少ないに関わらず、1→2→3の順番にそって考えていきましょう。

 

ステップ1:国からの保障(公的な年金)

日本に住む20才以上の人は、必ず国の年金制度に加入しています。国民年金厚生年金と呼ばれるものです。

加入者は、職業等によって3つのグループに分かれますが、どのグループの人も然るべき保険料を負担*して(または家族に負担してもらって)、将来の年金を受け取る権利を得ます。

自分はどの年金をいくらもらえるのか確認することがファーストステップです。

* 国の年金は、長生きや万が一の死亡・障害に備える「保険」です。民間の保険と同じく、保険料納めないと、お金をもらう権利を失ってしまいます。どうしても納められない場合は、年金事務所で納付免除等の手続きをしましょう。

 

ステップ2:勤務先からの保障(会社員のみ)

お勤め先で企業年金制度を導入している場合は、いつ・どれくらい給付があるかを確認しておきましょう。

社内預金や退職金なども併せて把握しておきます。

会社の規程に書いてあると思いますが、よく分からなければ総務関係の部署に聞いて教えてもらいましょう。

 

ステップ3:自分で準備するお金

国と会社からの保障内容がわかったら、最後に自分自身で用意する金額・方法を検討します。

1と2は確認するのが面倒かもしれませんが、長い人生を考える上では重要なポイントです。

省略せずに行いましょう。

 

あなたにも届いているはず!ねんきん定期便

国の保障内容は、「ねんきん定期便」という国からのDMの中に集約されています。

「ねんきん定期便」は、毎年あなたの誕生月(第3週目くらい)に、日本年金機構から、圧着のハガキで届きます。

 

35才・45才・59才になる年は、それまでの履歴がすべて載った詳しいバージョンが水色の封筒で届きます。

 

ねんきん定期便を見るポイント

ねんきん定期便は、年齢によって書いてある内容が少し異なります。ここでは「50才未満・ハガキで届いた場合」でみていきますね。

    

 

  受給資格期間

これまでに保険料を納めた期間(実際は支払っていなくても納めたとみなされる期間等を含む)の合計。

60才になった時点で、ここが120月(つまり10年)以上ないと老齢年金が支給されません

 

  老齢基礎年金

これまでの加入期間に応じた現時点での基礎年金額です。20才以上60才未満の人が、40年間保険料を納めると満額が支給されます。

 

  老齢厚生年金

会社員・公務員の場合のみ。これまでの加入期間と収入に応じた現時点での厚生年金額です。

 

  これまでの加入実績に応じた年金額

基礎年金と厚生年金を足した現時点での老齢年金額(合計額)です。

 

  国民年金(1号・3号)納付状況

国民年金に加入している人(自営業、学生、フリーター、専業主婦等)の保険料納付状況で、「納付済・免除・猶予・3号」などの状況が表示されます。

ここに「未納」がある場合は要注意万が一の死亡や障害をおった時に年金を受けられない可能性があります

保険料を納めることができるのは、納期限から2年間です。未納分はできるだけ早く支払いましょう。

 

  厚生年金加入区分

会社員は「厚年」、公務員は「公共」等、厚生年金の中の、より細かい区分が表示されます。

 

  標準報酬月額

給与、残業代、役職手当、通勤手当(定期券や回数券含む)、住宅手当等、事業主から支払われる総支給額のうち、4・5・6月の3ヶ月間の平均額

標準報酬月額の上限(最高額)は62万円、下限(最低額)は8万8千円です。

実際の報酬が上限を上回ったり、下限を下回る場合は、上限または下限が決定額となります。

 

  標準賞与額

ボーナスの額です。最高額は1回150万円で、実際のボーナスがこれを超えていても150万円が決定額となります。

 

  保険料納付額

これまでに支払った厚生年金保険料が表示されます。厚生年金保険料は、事業主と働く人が折半して納めますので、これとほぼ同じ額を会社側も支払っていることになります。

 

将来の老齢「基礎」年金を計算しよう

基礎年金の金額は毎年見直され、令和2年度の満額は781,700円です。

約80万円とすると

80万円÷40年*約2万円

*20才から60才になるまでの40年間加入するため

老齢基礎年金の1年あたりの価値は約2万円といえます。1年加入すると、ざっくり将来の基礎年金が2万円増えるということですね。

ねんきん定期便に表示されている金額が、大体「あなたの加入年数(20才から現在までの年数)×2万円」になっているでしょうか?

もし大幅に少ない場合は、保険料を納めていない期間があるかもしれません。

保険料免除等の手続きをしていない「未納」は受給権にもかかわります。確認して、できるだけ遡って支払いましょう。

 

将来の老齢「厚生」年金を計算しよう

厚生年金は、加入期間だけでなく、収入によっても金額が変わります。

ねんきん定期便に表示されているのは、現時点での厚生年金額です。この先20年、30年と、会社員としてお勤めしたら将来いくらになるかは、以下の式でざっくり計算することができます。

平均収×0.55%×厚生年金加入
または
平均収×0.55%×厚生年金加入

 

例えば、平均年収400万円で今後20年、厚生年金に加入する場合は以下のとおり。

400万円×0.55%×20年=44万円

これからの20年で、現時点の厚生年金額に加えて、年額44万円の厚生年金を作ることができるということです。

会社員として働く期間を長くしたり、収入アップすることで、将来受け取る年金額を増やすことができるんですね。

 

ねんきん定期便が見当たらない時

ねんきん定期便が手元にない場合は、「ねんきんネット」の利用登録をしましょう。

ねんきんネットは、誕生月に限らずオンラインで加入記録がわかり、将来の年金額の試算もできます。

ただし、最初の登録が少し面倒で、基礎年金番号が必要だったり、ユーザーIDが届くまでに(郵送)一週間ほどかかります。

基礎年金番号は、次のいずれかで確認することができます。

  • 年金手帳または国民年金保険料の通知書等に書いてある

(わからなければ)

  • 勤務先の総務に聞く
  • 年金事務所の窓口に行く

 

その他、ねんきん定期便でわかること

ねんきん定期便で知ることができるのは、「老後にどれくらいの年金をもらえるのか」だけではありません。

国の年金制度には、病気やケガで障害が残ってしまった場合や、万が一亡くなってしまった場合に支給されるお金があります。

障害年金遺族年金と呼ばれるものです。

これを無視して民間の生命保険だけに頼ってしまうと、保障がかぶって無駄な保険料を払ってしまう可能性があります。

国の年金は加入必須ですので、まずはそこから「自分はいくらもらえるのか」を把握しましょう。

また、会社員がもらう厚生年金は一律の金額ではなく、加入期間や収入で変わります。年金はもらうものではなく、「働いて作るもの」なんですね。

フリーランスで国民年金のみの場合は、収入に関係なく、保険料を納めた期間に応じて決まります。満額でも年間80万円と、これだけで生きていくのは難しいですね。

収入の中から長期的に用意することがとても重要、方法に迷ったらFPに相談するなどして、できるだけ早く自分年金の仕組みを作っておきましょう。