大人の海外留学 費用や手続きをざっくり把握しよう

海外で生活しながら言葉を覚えたい。その国でしかできない本場の学びをしてみたい。

そんな気持ちでうずうずしているなら、思い切ってチャレンジしてほしい!

私自身が若い頃、海の向こうで暮らしてみたいと強く憧れていたので、留学したいという夢は力を込めて応援したくなってしまいます。

どんな方法で、どれくらいのお金があれば実現できそうか、具体的に考えてみることがファーストステップですね。

 

社会人 これからできる留学は?

海外で学ぶスタイルは、短期間の体験型のものから数年間の専門的な留学まで様々あります。

代表的なものの特徴を見ていきましょう。

 

短期語学留学

英語に限らず、フランス語圏、スペイン語圏等に滞在し、生活をしながらその言語を学ぶスタイルです。

語学だけでなく、そこで体験できるカルチャー(料理やスポーツ、セラピー、ボランティア等)を組み込んだプランもあります。

期間は数週間~数ヶ月程度で、観光ビザで滞在できるものが多いですね。

 

ワーキングホリデー

1~2年間の長期滞在ができる若者向けの制度です。

定期間内で語学学校に通ったり、アルバイトをすることもできますが、主な滞在目的は「休暇」のため以下のような要件があります。

  • ビザ申請時の年齢が18才以上30才以下(国によって25才・26才以下のところもあり)
  • 子どもや被扶養者を同伴しない(結婚はしていていもOK)
  • 帰りの切符(または購入するための資金)を持っている
  • 滞在中の生活資金をある程度持っている
  • 以前にその国でワーキングホリデービザを発給されたことがない(オーストラリアで農業に従事する場合は期間延長が可能)

詳しい情報は、行きたい国の大使館のHPで確認することができます。

ワーキングホリデーを利用できる国は以下の26ヶ国です。

北米・南米
カナダ・アルゼンチン・チリ
ヨーロッパ
アイスランド・アイルランド・イギリス・エストニア・オーストリア・オランダ・スウェーデン・スペイン・スロバキア・チェコ・デンマーク・ドイツ・ノルウェー・ハンガリー・フランス・ポ-ランド・ポルトガル・リトアニア
アジア
韓国・台湾・香港
オセアニア
オーストラリア・ニュージーランド

(2020年5月現在)

 

専門分野の留学

大学や専門学校で語学以外の専門分野について学びます。

現地の学生と同じように勉強して、課題や単位をクリアしなければならないので、入学時点である程度の語学力が求められます。

学生ビザでも、一定時間内ならアルバイトができる場合がありますが、学業だけでも忙しいので、費用は余裕を持って計算しておくことが重要ですね。

 

留学にかかる費用は?

出発前から滞在中の費用まで、大体どれくらいかかるのか全体像を把握しましょう。

 

学費(入学金・授業料など)

留学の期間と、その国の物価によって大きく異なります。気候や治安等もあわせて検討しましょう。

現地の人も通う専門学校などでは、「週3日ほどの通学で1年かけて資格を取得する」ようなところもあります。

留学生にとっては期間が長い分費用がかさんで適さないこともありますので、1日の授業時間と取得できる資格・単位のバランスもよく見ておきましょう。

 

滞在費(住まい・食費など)

短期語学留学の場合は食事付きのホームステイ、大学等で1年以上滞在する場合は学校の寮などで共同生活をするのが一般的です。

自由なアパート暮らしを希望する場合も、まずは学校の紹介等でホームステイや寮を利用し、環境に慣れたら自立する方法がベターでしょう。

一緒に生活する人、周囲の環境、学校へのアクセス等は、自分の目で確かめることをおすすめします。

 

渡航費

渡航時期によって料金が変わります。

可能であれば、日本から出国する人が少ない時期にすると割安です。(GWを除く4月~6月、10月~12月上旬など)

また、直行便ではなく、他の都市を経由する便の方が、少し時間はかかりますが安く利用することができます。

 

その他

  • パスポートやビザ取得代金
  • エージェント代金(利用する場合のみ)
  • 海外旅行保険

現地とのやり取りに自信がない場合は、エージェント(留学あっせん会社)を利用し渡航準備を手伝ってもらう方法があります。

費用は会社によって差がありますが、20~50万円くらいは見積もっておきましょう。(サポート費用、授業料等がすべて含まれたパッケージ料金になっている場合もあります)

ただし、エージェントは必ず使わなければいけないものではありません

行きたい時期から逆算して、時間に余裕を持って情報収集をすれば、手続きは個人でも行うことができます。

 

タイプ別 かかる費用の目安

短期間の語学留学授業料+滞在費+食費の目安)

12週間
アメリカ 90~110万円
カナダ 50~85万円
イギリス 55~100万円
オーストラリア 60~85万円
ニュージーランド 55~75万円

 

ワーキングホリデー

1年間の総費用 80~200万円

 

必ずしも学校に通う必要はなく、現地でアルバイトもできるので、比較的安く長期間滞在することができます。

国中を旅したり、普段できないような経験をするのがワーキングホリデーの醍醐味でもありますが、長い旅行にはそれなりの費用がかかることを計算に入れておきましょう。

 

専門的な長期留学(授業料+滞在費+食費の目安)

公立・約9ヵ月
アメリカ 短 大:230万円
大 学:380万円
大学院:360万円
カナダ 短 大:210万円
大 学:270万円
大学院:220万円
イギリス 大 学:330万円
大学院:340万円
オーストラリア 大 学:350万円
大学院:360万円
ニュージーランド 大 学:310万円
大学院:330万円

留学ジャーナル「海外留学大事典・留学の費用」より

日本学生支援機構HP「海外留学経験者の追跡調査(平成30年度版)」には、留学地域別の1ヶ月あたりの学費・住居等にかかった費用の調査結果が掲載されています。

留学形態や期間ごとに大まかな費用を把握する際は参考にされると良いですね。

 

公的制度の手続き

留学先の準備だけでなく、留守中の日本の公的制度の手続きが必要なことも覚えておきましょう。

 

「海外転出届」の提出

住民票のある市区町村に「海外転出届」を提出します。

留学することを届け出て、日本の健康保険・国民年金・住民税を一時ストップするためのものです。

転出届が必要な留学期間は一律ではなく、自治体によって異なりますので確認が必要です。

出発の2週間ほど前から、各市町村の窓口で手続きができます。

 

税金について

住民税は、前年の収入に応じて計算されます。

例えば、会社員だった人が海外転出届を出さずに長期留学すると、翌年の1月1日に住民票のある市区町村から、その年の6月に住民税の請求がきます。

転出届を提出すると、出発前に今年分の税金を支払う必要がありますが、留学している間の住民税は課税されません

所得税については、1年以上留学する場合は、住んでいる地域の税務署に確認し、自分で確定申告を行いましょう。

 

健康保険について

会社を辞めて留学する場合、会社の健康保険を脱退して、国民健康保険に加入しているはずですね。

海外転出届を提出すると、国民健康保険の被保険者ではなくなるため、留学中に保険料を払う必要がなくなります

ただし、海外での医療費はとても高額になる場合がありますので、出発前に必ず海外留学保険*に加入しましょう。

*海外旅行保険では、通常歯の治療は保障されません。歯のケアは日本で済ませておきましょう。

 

年金について

国民年金は、日本に住む20才以上60才未満のすべての人が加入する義務があります。

また、10年以上加入しないと、年をとった時に年金をもらう資格が与えられません

海外転出届を提出すると、年金保険料を払う「義務」がなくなりますが、留学期間は「年金制度に加入していた期間」としてカウントされるため、滞在期間が無駄になりません。

ただし、もらえる年金額は支払った保険料に比例しますので、保険料を納付しないままだと将来の年金額は少なくなります。

 

年金額を減らしたくない場合

  • 留学中も保険料を払い続ける「任意加入」の手続きを、近くの年金事務所で行う。
  • 未納分の保険料を帰国後に支払う。ただし、本来支払うべき期限から2年以内に納付しなければなりません。

 

海外の病院で治療を受けた時

短期留学等で海外転出届を出さず、日本の健康保険に加入している状態で、海外の病院で治療を受けた場合は「海外療養費」を請求することができます。

現地で請求された医療費を一旦支払い、帰国後に申請をすると、支払った費用の一部が払い戻されるしくみです。

日本で同じ病気やケガをし、健康保険内で治療を受けた場合を基準にして、支給金額が決定します。

日本で保険適用になっている医療行為が対象で、以下の場合は支給されません

  • 保険の効かない診療や差額ベッド代
  • 美容整形
  • 臓器移植など特定の治療

 

今やITでどこでも何にでも繋がることができる世の中。

世界は本当に小さくなったし、留学経験が特別な武器になる時代でもありません。

だけど、実際に行って試してみたい気持ちは、堂々と叶えていいと思います。人生一度きりですもんね。

2020年5月現在、世界は新型コロナウィルスの影響で往来が厳しく制限されていますが、留学の段取りは時間のかかることでもあります。

トンネルの先の未来に向けて、しっかり情報収集・準備をしておきましょう。