資産はなるべく有利に増やしたい「つみたてNISA」について

資産運用ってなんだか難しそうだし、自己責任などと言われてしまって、ハードル高く感じていませんか?

かといって、預金をしてもお金はちっとも増えないし、貯蓄ができる保険にはもう入っている。これ以上お金を貯める余裕なんてない!と諦めてしまう前に、個人の資産作りを国が応援する制度を知っておきましょう。

これからの時代、避けては通れない「自分年金作り」。家計を見直して検討する価値はあると思います。

国の制度にも似た感じのものがいくつかありますので、違いも含めてみていきましょう。

 

投資は難しくて特別なこと?

「投資」とか「資産運用」という言葉に、少し引いてしまう感覚はありませんか。

いかにも玄人っぽい語感に、私は初め抵抗感がありました。

実際、金融機関の窓口で投資商品を買おうとすると、ちょっと上の方から難しい言葉で説明されて全然わからなかったという声は少なくありません。

だけど、投資は本来「より良い将来を信じて、今持っているものを投じる」自然で当たり前の行いですよね。投じるものがお金だって同じはずです。

難しそうな言葉のイメージは取り払って考えましょう。

 

自分に合った投資スタンスを決めよう

ただし、投資をする上で、とても重要なことがあります。

金融商品に限ったことではありませんが、投資は「自己責任で!」という決まり文句がついてきますよね。

例えば、投資信託を買って資産運用を始めてみようという時、どういう方法で何をしたいのかがブレないように、方針を持つことがとても大事です。

そして、全面的に金融機関からおススメされるのではなく、自分で考えて選ぶ必要があります。

誰かに頼りすぎると、時間が経ったら忘れてしまったり、利益が出ない・価格が下がる局面でオロオロ動揺してしまったり、自分が何をしているのかがわからなくなってしまいます。

スタンスを決める考え方として、2つの投資の方法をざっくり押さえておきましょう。

金融商品で行う投資には「短期売買」と「長期投資」という方法があります。

短期売買は、価格の上がり下がりを事前に予測して、「今だ!」という絶妙なタイミングで売り買いを繰り返すことで利益を得る方法です。

一つの手法ではありますが、継続的に結果を出すのは難しいやり方ですね。

一方、長期投資は一度買ったものを長く持ち続けて、利息や元本が膨らむのをゆっくり待つ方法です。

短期的な価格の変動に一喜一憂せず、20年くらい先を見据えて気長に成長を待つ、いわゆる「ほったらかし」のやり方です。

どちらでやっていくのか、その方針を決めることがまず第一歩です。

ギャンブルのような短期売買は推奨しませんが、長期投資においても成長が必ず約束されるとは限りません。その点も理解した上で始めることが重要ですね。

投資の方法については「投資の基本になる考え方 納得できる芯を持つこと」の記事にまとめましたので、こちらもぜひご覧ください。

 

つみたてNISAとは

つみたて型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)は、長期間かけて少しずつ資産を育てていきたい個人対象にした税金がお得になる制度です。

投資信託を一定金額ずつ購入していくしくみで、最長で20年間積み立てを続けることができ、解約した時の利益が非課税になります。

通常は、利益に対して約20%の税金がかかりますので、その分がお得になるんですね。

利用できる人 日本に住む20才以上
いくらから買える? 100円からOK*
いくらまで買える? 年間40万円まで

 * 金融機関によって異なります。

つみたてNISAで購入できる商品は、金融庁が長期投資に向いていると認めた投資信託等、約160本です。(2020年4月時点)

手数料が低い、運用期間が20年以上ある、毎月分配型でない等、長期間持ち続けるのに適した条件をクリアしたものだけに限定されています。(対象商品は金融庁のHPに掲載されています)

 

つみたてNISA 3つのメリット

●少額から利用できる

100円や500円といった少額から利用することができます。投資が初めてでも、気負わずにスタートできますね。積立てる金額は、途中で変更することも可能です。

●コストが安い

つみたてNISAの商品は、販売手数料や信託報酬といったコストが一定水準以下のものに限定されています。商品設計上、お金が増えやすいものを選べるということですね。

●解約の自由がある

長期的な運用をし、老後資金の一部にすることはもちろん、途中でお金が必要な時には、いつでも解約して他の用途(教育費や住宅費など)に使うこともできます。

 

つみたてNISAで気をつけたいポイント

●利益が出た時だけ恩恵がある

運用によって出た「利益」にかかる税金がゼロになる制度のため、利益が出ない時には恩恵がありません

●利益が約束されているわけではない

お金が貯まりやすい投資信託とはいえ、利益が約束されているわけではありません。例えば教育費等、十数年後に必ず必要なお金は通常の貯蓄で用意しましょう。

●損失が出るといいことがない

損失が出た場合、損益通算や繰越控除といった、通常だと翌年以降に損失を緩和できる制度が利用できません

 

iDeCoとの違いは?

国が個人の長期投資を支援する「つみたてNISA」と「iDeCo」について、違いをまとめました。

項目 つみたてNISA iDeCo
利用できる人 国内に住む20才以上 誰でも 20才以上60才未満
利用可能期間 最大20年間 60才まで
対象商品 投資信託・ETF(注1) 投資信託・保険・定期預金等
引出し いつでも可能 60才まで不可
メリット 利益に税金がかからない ・掛金が全額所得控除
・利益に税金がかからない
・受取り時も税金優遇
投資できる額 年間40万円まで 人によって異なる(注2)

(注1)金融庁の条件を満たした一部の投資信託とETFに限定されます。
(注2)自身が加入する年金制度によって、掛金の上限が異なります。

 

つみたてNISAに向いている人

iDeCoは税金面の効果がとても大きい制度ですが、つみたてNISAの方が間口が広く、使い勝手が良い場合もあります。

以下の人は、iDeCoよりも(または同時に)つみたてNISAに向いているといえそうです。

 

iDeCoと並行して積立をしたい人

iDeCoとつみたてNISAは、二つ同時に利用することができます。

iDeCoは、職業等によって掛金の上限が決まっています。資金に余裕があり、iDeCoに加えて、もう少し積立てができそうな場合は、併用して資産形成をすると良いですね。

 

60才が近づいている人

iDeCoは加入できる期間が60才までと決まっています。50代後半の方であれば、はじめからつみたてNISAを利用する方が手続き面でもスムーズですね。

つみたてNISAは、非課税メリットがある20年を過ぎた後も、通常の課税口座に移管して積立を続けることができます。

その場合、つみたてNISAの非課税メリットはなくなりますが、60才を過ぎても、働いてまだまだ人生が続くことを考えれば、積立投資の仕組みを持ち続けることは重要なポイントになりますね。

 

解約の自由を持っていたい人

つみたてNISAは、年金であるiDeCoよりも自由度が高い制度です。

非課税のメリットを受けて長期投資をしつつも、将来お金が必要になりそうなイベントを控えている場合は、無理をせず、いつでも解約ができる選択肢が良いですね。

iDeCoには、所得控除という強力な節税メリットがありますが、60才までは引き出しができないという制限がつきますので、慎重に検討したいところです。

 

iDeCo・つみたてNISAとも、長期にわたる資産形成を始める時には、ぜひ活用したい制度です。

ただし、基本的にどちらも「資産が必ず増える」ことを保証するものではありません

どんな人も、まずは貯蓄で安全な資産を持つこと、その先に長期投資があることを覚えておきたいですね。